男性 例)大阪府内在住 22歳 無職 ひきこもり歴 5年
ご家族の方から見たひきこもりの原因:
○ 高校中退
○ 学歴、友人関係のコンプレックス
○ 元々家族とのコミュニケーションが乏しい
○ 友達がうまく作れなかった過去
ご家族の方から見た当事者の方の様子や特徴、希望:
○ 部屋から出る時→ご家族の方に会わないようにトイレ、たまに入るお風呂。
○ 食事は部屋の前に置いてあるものを1人で部屋の中で食べる
○ 毎日部屋でパソコン(インターネット)をしているようだ。
○ 母親はコミュニケーションを取ろうとしていたが拒絶された。
→ここ1年ぐらいはコミュニケーションを取ってはいない。
○ 高校卒業の資格を取ってほしい。
●本人と話し合って将来を決めたい
①当事者の方が男性の為、男性カウンセラーを派遣→ご家族の方へのヒアリング
○ 成育状況
○ 親御さんの意見として、当事者の方に対してどう考えているのか等を綿密にお聞きします。
○ 当事者の方とカウンセラーがコンタクト・コミュニケーションをとれるかどうか確認します。
●当事者の方とカウンセラーの間で、コンタクトやコミュニケーションが可能であった。
②当事者の方にあったプログラムの作成
当事者の方、ご家族の方それぞれに支援の目的、おおまかな内容を提示
今回は当事者の方の希望により
①通信制高校に編入し、高校卒業資格を取りたい
②他者とのコミュニケーションをとれるようになりたい
③社会のマナー等について学びたい。
というような意向が示された。
親御さんに了承を得た上で、その3点の援助をスタート。
③実際の援助(今回は当事者の方とカウンセラーが週2回ペースでお会いしておりました。)
当事者の方が外出できるようになるまで→カウンセラーが訪問
当事者の方が外出できるようになった後→当事務所で実施
当事者の方が実際行ったこと
○ カウンセラーが援助しながらご家族の方との関係、社会との関係の見直し
○ 本人のコミュニケーション能力獲得の指導
○ 元塾講師のカウンセラーが勉強の指導
○ 元宿泊業のスタッフが社会マナーについて実践的に指導
(上記の指導は、本人のカウンセリングになるように個別にプログラムを作成しております。)
○ 本人の興味・関心のあった歌手のグループのライブをカウンセラー同行の元、鑑賞する。
○ 当事務所の研修生と交流を持つことにより、社会性の獲得の援助
※当事務所では心理学習得を目的とした研修生を採用しており、場合によっては当事者の方のコミュニケーション能力や社会性の獲得の為、交流を持つようなことも行っております。
※こういった社会性の獲得のためのトレーニングをSST(ソーシャルスキルトレーニング)と言います。
結果
○ 学力の向上
○ コミュニケーション能力や社会性の向上
○ 興味・関心の広がり
○ 家族関係の良化
○ 高校卒業後の目標の発見
以上のような結果が見られました。
期間としては4ヵ月強でプログラムを終了することができました。
その後、当事者の方に関しては月2回のカウンセリングを行っており、ご家族の方には月1、2回程度お電話にて当事者の方の様子やご家庭の様子をヒアリングさせて頂いております。
現在では当事者の方が研修生の勉強会に来られる、カウンセラーに学校の勉強を学ぶなどの関係が続いています。
☆このケースの場合、当事者の方自体の前向きな取り組みやご家族の方の理解や支援により、大変効果がありました。驚かれると思いますが、当事者の方と担当カウンセラーがある月では、10日間お会いして100時間強、当事者の方の精神的な負担が少ない状態で過ごせる関係になりました。
当事者の方の方にお話を聞くと
○ 担当カウンセラーと楽しく過ごせた。
○ 時には厳しく教えてもらい色々な事が身についた。
○ 何より外に出ることが楽しくなった。
○ カウンセラーが口だけではないことがわかったし、色々なことに関して知識がすごくあるので尊敬していた。
担当カウンセラー(当事務所・代表)のコメント
○ ここまで成功できて大変良かった
○ 本人がそもそも「きっかけ」を待っていたこと
○ ご家族の方が本人の意向を重視して下さったこと
○ またそのための支援を出来る限りして下さったこと
○ 私(カウンセラー)と当事者の方の信頼関係が早期に結べたこと
○ 当事者の方やご家族の方が終始、私を信じて下さったこと
等が挙げられました。